心房細動という不整脈

心房細動という不整脈をご存知ですか、日本でも多くの患者様が罹患しており、国民の1.3%ぐらいが有病しているとも言われている不整脈です。それだけ一般的な不整脈ではあります。不整脈の中にはすぐに命を落とすような怖い不整脈もありますが、心房細動はそのたぐいの不整脈ではありません(ちょっと大まかに説明していますので、全てというわけではありません。)。しかしながら大きな問題があります、心房が規則正しく動かないことにより、心房内で血栓を作ってしまうんです。心房が不規則に細かく動く不整脈です。それによって心房内で血液が乱流を起こします。よどんでしまうんです。そうなるとよどみなどに血栓ができやすくなります。血栓は流れに乗って心臓の外に流れ出ると、脳血管に流れ着くと脳梗塞(正確には 脳塞栓)を起こします。脳梗塞を起こされた患者様の実に25%もの方の原因が心房細動による血栓であったと報告されています。ですから心房細動になったら治す治療を行ったほうが良いわけです。まずはお薬で。また電気刺激による治療法(カウンターショックともいいますが、よくテレビドラマで胸に電気をかけて横たわっている患者さんが跳ね上がるようなシーンで登場しています。)もよく使用します。なかなか治りが悪い患者様はカテーテルアブレーションといい、血管内にカテーテル(細い管)を挿入して心臓まで到達させて、心臓内の電気の通り道を切断します。私たち心臓外科医は手術の時に電気の通り道を切断する治療法(MAZE手術)を行います。この心房細動という不整脈は、絶対的不整脈といって、リズム正しい脈ではなくなります。手首に手を当てて麻薬をとつと、正常では一定のリズムで脈が蝕知できますが、心房細動では全くバラバラです。一度手首の親指側にある動脈に触れてみてください。基本的に同じリズムであれば大丈夫です!

また高血圧,虚血性心疾患,負荷後高血糖,メタボリックシンドロームは心房細動新規発症のリスクと言われています。ご注意を。 IMG_0038

心臓血管外科医 菊地慶太