心臓は、1日約10万回も休まず動いて全身に血液を送っています。そんな心臓自身も「冠動脈(かんどうみゃく)」という血管から酸素や栄養を受け取って動いています。
ところが、動脈硬化などで冠動脈が細くなったり詰まったりすると、心臓に十分な血液が届かなくなり、狭心症(胸の痛みや圧迫感)や心筋梗塞(血管が完全に詰まり心臓の筋肉が壊死してしまう病気)を起こすことがあります。
検査と診断
冠動脈の病気が疑われるとき、いくつかの検査を組み合わせて診断します。
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心電図検査
胸に電極をつけて、心臓の電気的な働きを記録します。狭心症や心筋梗塞があると特徴的な変化が出ます。 -
心エコー(超音波)検査
超音波で心臓の動きを観察します。心筋の動きの異常や、心臓の働き具合を評価できます。 -
負荷検査(運動負荷・薬剤負荷)
運動や薬で心臓に負担をかけたときに症状や心電図の変化が出るかを調べます。 -
CT冠動脈造影
CTを使って冠動脈を画像化します。血管の狭窄の有無や程度を非侵襲的に評価できます。 -
心臓カテーテル検査(冠動脈造影検査)
最も正確に冠動脈の詰まり具合を調べる方法です。手首や足の付け根からカテーテルを入れて造影剤を流し、X線で血管を映します。
これらの検査結果をもとに、「薬で治療できるか」「カテーテル治療(ステント)が良いか」「冠動脈バイパス術が必要か」を判断します。
治療の選択肢
冠動脈の病気が進行した場合、治療には大きく2つの方法があります。
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カテーテル治療(PCI)
細い管を血管の中に通して、バルーンやステント(金属の筒)で詰まった部分を広げる方法です。体への負担は少ないですが、病気の場所や血管の状態によっては再び狭くなることもあります。 -
冠動脈バイパス術(CABG)
自分の血管を使って新しい道をつくり、詰まった部分を迂回させる手術です。特に複数の血管が詰まっている場合や、重要な場所に病変がある場合に有効で、長期的な効果が期待できます。
冠動脈バイパス術(CABG)の仕組み
この手術では、次のような血管を使って新しい血流の通り道を作ります。
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内胸動脈(胸の中にある動脈)
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橈骨動脈(腕の血管)
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大伏在静脈(足の静脈)
これらの血管を冠動脈に「新しくつなげる」ことで、血液が詰まった場所を飛び越えて心臓にしっかり流れるようになります。まるで渋滞した道路に新しいバイパス道路を作るようなイメージです。
手術の方法と進歩
従来は胸の真ん中を大きく開く「胸骨正中切開」で行っていました。現在でも多くの症例で行われていますが、最近は**低侵襲冠動脈バイパス術(MICS CABG)**という、胸を大きく開かずに小さな切開で行う方法も広がってきています。
MICS CABGでは、出血や痛みが少なく、回復が早いという利点があります。
MICS CABGは私が特に力を入れている治療法です!
手術の目的と効果
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狭心症などの症状を改善する
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心筋梗塞を予防する
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心臓の働きを守る
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将来の生存率を高める可能性がある
安心していただきたいこと
冠動脈バイパス術は、世界中で数十年にわたり行われてきた、確立された治療法です。もちろん手術にはリスクもありますが、経験豊富な心臓外科医のチームで行えば、安全性は高く、手術後の生活の質の改善も期待できます。
東京Dタワーホスピタルでは、私がこれまでの経験を活かし、患者さんに最も安全で適切な方法を提案し、自ら執刀してMICS CABGを行っています。
また経験豊かなハートチームで皆様の治療に当たります!
東京Dタワーホスピタル 無料Eメール相談の窓口にご相談ください!
https://www.tdhospital.jp/free_consultation/
心臓血管外科医
菊地慶太
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