ワーファリンと納豆

ワーファリンという薬をご存知ですか?抗凝固薬といいます。人間の体において血液を固める(凝固させる)要素には、血小板と凝固因子があります。この2系統がそれぞれ機能して血液を固めてゆきます。ワーファリンはこのうちの凝固系に働きかけて、血液が固まる事を抑制します。ワーファリンの作用を抑制してしまうものに、“ビタミンK”があります。この“ビタミンK”は納豆に沢山含まれています。また緑黄色野菜の中にも含まれますが、こちらは通常の量を食べる分には問題ありませんが、ビタミンKの含まれる食品を大量に食べたり、ビタミンKが濃縮されている食品(青汁、クロレラなど)を摂取するとワーファリンの作用が低下します。ということは血栓ができてしまい問題が起こります。納豆は納豆菌がビタミンKを産生するのでワーファリンが効かなくなってしまいます。ワーファリンの内服は納豆好きには大きな問題ですが、これも命を守るためです。最近ではワーファリンに代わるお薬もだいぶ出てきています。どんどん良い薬が出て生活がより良くなるといいですね。img_2174

心臓血管外科医 菊地慶太