冠動脈バイパス術に用いる血管(グラフト)の太さについて

心臓自体を栄養する血管である冠動脈は、冠動脈バイパス術のときに血管吻合をする部位でおおよそ1.5mm程度の太さです。もちろん縫合する冠動脈の部位によっても異なりますので正確に言うと1.0~2.5mm程度の太さです。この冠動脈バイパスに用いる血管(グラフト)を縫合します。グラフトには2種類あり、動脈グラフト(内胸動脈、橈骨動脈、胃大網動脈)静脈グラフト(大伏在静脈)があります。基本的には動脈グラフトの長期成績が優れるので複数の動脈グラフトを使いことがガイドラインでも推奨されています。しかしながら近年、静脈を触らずにかつ圧をかけずに採取して使用するNo touch SVGの良好な長期成績が報告されて、東京ベイ浦安市川医療センターでもNo touch SVGを使っています。なぜかといいますと、静脈はとても使い勝手が良いのです。長さなどが自由に調節でき、更に血管自体がしっかりしているので細工しやすいのです。では動脈グラフト静脈グラフトでどのように太さの違いがあるかというと、動脈グラフトである内胸動脈の太さは2~2.5mm。胃大網動脈の太さは2.5mm程度。橈骨動脈は3~4mm程度です。静脈グラフトである大伏在静脈は3~4mm程度です。冠動脈バイパス術ではこのようにミリ単位での仕事をしています。細かい世界での仕事ですから拡大鏡というものを使ってしっかりと血管を見ながら手術を行っています。

 

東京ベイ浦安市川医療センター 心臓血管外科

菊地慶太

 

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