針と糸

心臓血管外科で使う針と糸は、特に血管の縫合で使うもの(血管縫合糸)はポリプロピレンという素材を使った非吸収糸です。大動脈から冠動脈までの様々な血管を縫合する為に糸の太さや針の大きさや強さなどが違います。大動脈を縫う時は22m程度の長さの針と3-0の太さの針と糸を使います。針が大きいと使いやすい反面、針が糸より太くなり針の穴から出血なんて事もあります。その為大動脈などの太い血管には、私は針は小さめ糸は太めを好んで使っています。また冠動脈では小さな針を好んで使います、6-6.5㎜程度の針を使っています。糸は基本的に8-0を使います。これらは術者の好みというより長年の慣れと、それによる感覚です。だから針の大きさや糸の太さ、さらには滑らかさが変わると使いにくいんです。長い間慣れ親しんだ感覚があるんです。

東京ベイ浦安市川医療センター 心臓血管外科

菊地慶太