冠動脈バイパス術に用いる血管 大伏在静脈について

冠動脈バイパス術CABG)に用いる血管(グラフト)には以前にお話した通り動脈と静脈があります。今回は静脈グラフトである大伏在静脈SVG)についてです。大伏在静脈SVG)は古くから使われており、長さの調節がしやすく、扱いも容易であり、更には大伏在静脈の採取は開胸をしているときに同時に採取することができるので、今でも多くの冠動脈バイパス術CABGOPCABMICS CABG)で使用されています。しかしながら問題が1つあります。長期的にみるとバイパス術後10年程度で約半数(50%)がつまってしまいます。グラフト閉塞です。その原因として静脈に動脈硬化性変化が起きてしまう、いわゆるベインディジーズ(vein disease)という病気が起きやすいのです。近年、大伏在静脈を触らずに周囲の脂肪ごと採取して加圧しないで使用する方法(non touch SVG)で用いると内胸動脈の様に長期的に開存して良い結果が得られると報告され非常に注目されています。しかしながらこの方法で採取すると傷の治りが悪い場合が少し増えると報告されています。東京ベイ浦安市川医療センター 心臓血管外科では、このnon touch SVG採取には内視鏡を使って、小さな傷で採取しています。低侵襲心臓手術であるからこそ、足の傷も小さな傷で行いたいのです。

 

東京ベイ浦安市川医療センター 心臓血管外科

菊地慶太

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