トランス脂肪酸の含有量とは・・・

国連食糧農業機関(FAO世界保健機構(WHOは2008年11月に専門家会合を行い、総脂肪とトランス脂肪酸を含む各種脂肪酸と主な健康影響や疾患との関連について、最新の科学的知見に基づく証拠の強さに応じて、「確実」、「おそらくあり」、「可能性あり」、「不十分」の4つに分類しました。最近特に問題視されているトランス脂肪酸については、

飽和脂肪酸、シス型の不飽和脂肪酸と比較してHDLコレステロールを低下させ、総コレステロール/HDLコレステロール比を上昇虚血性心疾患(狭心症、心筋梗塞など)発症リスクを上昇します(確実)。また致死性虚血性心疾患(狭心症、心筋梗塞)及び心臓性突然死リスクを上昇・メタボリックシンドローム関連因子及び糖尿病リスクを上昇するだろう(おそらくあり)と報告されています。(農林水産省のホームページより抜粋しましたhttp://www.maff.go.jp/j/syouan/seisaku/trans_fat/t_kokusai/index.html )

また世界保健機構(WHOは集団の栄養摂取目標の範囲として、トランス脂肪酸は冠動脈性心疾患のリスクを増やす確実な証拠があるとして、平均摂取量を一日当りの総エネルギー摂取量の1%未満とする目標が示されました。日本はトランス脂肪酸の摂取量に関しては少ない国ですので、比較的安全とも言われていますが、何にどの程度含まれているのかご存じないことが多いと思います。なぜなら日本ではメーカーにトランス脂肪酸の含有量の表示義務がないのです。現状では日本のトランス脂肪酸の摂取は少ないので悪いわけではないのですが、どのような食品にトランス脂肪酸がどのくらい含まれているのか。知って損はないと思いませんか。IMG_2806

心臓血管外科医 菊地慶太