心房細動でおきること 心原性脳梗塞

心房細動による心原性脳梗塞と左心耳

 心房細動は年齢とともに増加し、左心房内に血栓ができやすくなります。この血栓の90%以上は左心房にある左心耳にでき、やがて脳梗塞(脳塞栓)を引き起こします。心原性脳梗塞のリスク:心房細動が原因の心原性脳梗は脳梗塞全体の20%と報告されています。(2009年脳卒中データバンクより)特に80歳以上の方の心房細動は、未治療の場合半分以上の患者様で脳梗塞を発症すると報告されています。高齢の方、脳梗塞の既往、糖尿病や高血圧症のある方などは、とくに脳梗塞発症のリスクが高いといわれています。

そのため、ひとたび心房細動を発症すると血栓を予防する抗凝固薬を飲む必要がありますが、出血を助長するため、脳出血消化管出血などの合併症を引き起こすことがあります。また現在抗血小板薬を2剤内服している(DAPT)患者様では新たに抗凝固薬を追加することで出血性合併症のリスクが高くなります

このように心原性脳梗塞抗凝固療法への不安が多くを占める心房細動を患う方々の脳梗塞予防には“左心耳をなくしてしまう”こと左心耳切除が良いと報告されています。

 

東京ベイ浦安市川医療センター 心臓血管外科

菊地慶太

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