以前お話をしましたが、農林水産省と厚生労働省が「食事バランスガイド」を作り、国民の健全性の育成をめざした「日本型食生活」の推奨を行っています。その中で、食塩摂取と血圧に関してですが、1960年頃に日本人の食塩摂取量は最高になりました。その変化と同じように日本人の血圧も高くなりました。食塩の摂取量が日本人の血圧を上昇しています。その後に食事による塩分摂取を控える運動が起き、その後ゆっくりと塩分摂取量が減ってゆくのと同じように血圧も下がっていきました。皆さんがご存知の通り食塩は血圧を上昇させてしまいます。最近では塩分に対する感受性の無い方もいる(血圧が上昇しない様な方)といわれて、塩分に対する感受性が取り上げられることもありますが、減塩に伴い血圧が低下しているデータがある以上は、塩分は血圧に影響を与えると認識したほうが疾病予防を考えるうえでは大切です。
心臓血管外科医 菊地慶太