動脈瘤の検査について

先日もお話した通り、基本的に大動脈瘤は症状がでません。ですから具合が悪いから検査を行うということはほとんどなく、何かほかの病気や症状で行った検査で偶然発見されることが大部分を占めます。検査では、腹部大動脈瘤は、腹部超音波検査、腹部CT検査、MRI検査などで発見されます。胸部大動脈瘤では、胸部レントゲン、胸部CT検査、MRI検査で発見されます。胸部大動脈瘤には当てはまりませんが、腹部超音波検査は腹部大動脈瘤を発見するにはとてもいい検査です。放射線の被曝も無く痛みも無いため手軽に検査を行う事が出来ます。

CT検査は胸部も腹部も良く分かります。実際に術前に行う確定診断の検査がCT検査です。造影剤を入れる場合と入れない場合がありますが、大きさだけの診断(いわゆるスクリーニング検査)には造影剤はいりません。しかし、ステントグラフト内挿術では、造影CT検査を用いて術前に計測を行い(サイジング)用いるステントグラフトのサイズを決定します。2㎜幅の造影剤を用いたCT検査は必須になります。CT検査があればMRI検査は行う事はあまりありません。写真5

心臓血管外科医 菊地慶太