心臓弁膜症に対する治療です

心臓弁膜症の治療には

  1. 薬物による治療:これは弁膜症自体を治すのではなく、弁膜症によって負担がかかっている心臓を助ける治療です。利尿剤、強心剤、血管拡張剤など
  2. 手術治療  
  3. 僧帽弁:僧帽弁閉鎖不全症が最近の主な治療対象になります。この病気に対しての代表的な治療法は僧帽弁形成術です。人工弁輪を用いる事が多く、また人工腱索といいゴアテックス(人工繊維)でできた糸を用いて弁の機能を再建します。僧帽弁も病状によっては人工弁置換術を行うことがあります。
  4. 大動脈弁: 人工弁置換術が代表的な治療法です。人工弁はカーボンなどの金属でできた機械弁と、牛や豚の生体組織からできた生体弁があります。これらの人工弁を悪くなった弁と交換する手術です。人工心肺を用いて手術を行います。病状によっては小さい切開で手術を行う低侵襲心臓手術(MICSで手術を行っています。
  5. 経カテーテル大動脈弁植え込み術(Transcatheter Aortic Valve Implantation:TAVI)これはカテーテルを用いて生体組織でできた人工弁を大動脈弁のところに挿入する治療法です。人工心肺は用いずに行う方法で、体への負担がとても軽い治療法です。まだ手術のようにどこでも誰でも受けられる治療ではありませんが、将来的には現在の問題点なども改善されて広く普及すると思います。以上のような治療法があります。また手術の適応(手術をした方が薬による治療より安全かどうかの判断基準)も弁膜症治療に於けるガイドラインがあり、その時期などもおおよそ決まっています。いかに正確にかつ安全に治療を行い、その後を元気に過ごして頂くかが手術治療の大切な目的です。皆様の病状に合った治療法を選択して治療を行っています。ご心配でしたら外来日に予約を取って頂ければゆっくりとお話をいたします。ご相談ください! 心臓血管外科医 菊地慶太