MICS(低侵襲心臓手術)のアプローチ

手術ではできる限り小さい傷で行うMICSでの手術を心掛けています。同じ手術ならば傷は小さいほうが良いですよね。また骨を全部切らずに済む方法の方が、術後の体への負担も少ないと考えられるからです。切開部分は①胸骨部分正中切開といって、従来から行っている胸の真ん中を切開する方法を応用して、傷を小さく、また胸骨(胸の真ん中の骨です)を部分的に切る方法。②側開胸による小切開法といって右前胸部や左前胸部の小切開で手術を行う方法があります。胸の真ん中を小さく切開して行う方法は、大動脈弁置換術、僧帽弁形成術や置換術、上行大動の手術、冠動脈バイパス術などがあります。また側開胸の小切開手術では、右胸部小切開は僧帽弁手術や大動脈弁手術が、左胸部小切開ではMICS CABG(低侵襲冠動脈バイパス術)が出来ます。いずれの手術も全ての患者様に対応できるわけではないのですが、多くの患者様の手術に対応できると思います。image

心臓血管外科医 菊地慶太